無料3DCGソフトの定番blender。今回はそんなblenderに適したパソコンのスペックとおすすめパソコンを解説します。
3DCGソフトなので無料といえど、最低限のスペックを選択しないとせっかく購入したパソコンも無駄になってしまいます。
どんな基準でどんなパソコンを選んだらいいのか。
CG監督
目次
blenderパソコンの推奨・必要なスペックの選び方
ちなみにblenderは、
- Windows 10, 8.1 and 7
- macOS 10.13+
- Linux
の3つのOSで使用することができます。最新のOSにも対応しているので使い勝手は良いです。OSを問わないCG制作をすることができますね。
まずはBlenderには公式が提唱する推奨スペックがあります。そちらを見ていきましょう。
Hardware Requirements (Blender 2.80)
Minimum
- 32-bit dual core 2Ghz CPU with SSE2 support
- 32-bits will be dropped per 2.81
- 4 GB RAM
- 1280×768 display
- Mouse, trackpad or pen+tablet
- Graphics card with 1 GB RAM, OpenGL 3.3
Recommended
- 64-bit quad core CPU
- 16 GB RAM
- Full HD display
- Three button mouse or pen+tablet
- Graphics card with 4 GB RAM
Optimal
- 64-bit eight core CPU
- 32 GB RAM
- Full HD displays
- Three button mouse and pen+tablet
- Graphics card with +12 GB RAM
blender公式「Requirements」
サイトでは英語表記になっているため、日本語訳にして改めて解説します。
blender公式では大きくスペックの大小の違う3つの構成を推奨としています。それが「最低」「おすすめ」「最適」の3つのスペックです。その後に、推奨グラフィックボードが紹介されています。
まずは、最低スペックからまとめます。
最低スペック
- CPU:2コア32ビット2GHzCPU
- メモリ:4GB
- ディスプレイ:1280×768
- 外部デバイス:マウス、あるいはトラックパッド・ペン、タブレット
- グラフィックボード:1GBのVRAMでOpenGL
見てみると新品5万円以下のノートパソコンでも満たしているスペック。これだと、コア不足メモリ不足により画面フリーズが多発してしまいます。解像度も低いことから、綺麗な映像出力も厳しいです。
あくまで、blenderのソフト起動、大きいポリゴン数のモデル(細かいポリゴンは描写が難しいと思います)閲覧といった使用目的に限られてしまいます。
おすすめスペック
- CPU:4コア64ビット
- メモリ:16GB
- ディスプレイ:フルHD
- 外部デバイス:3ボタンマウス、ペンタブ
- グラフィックボード:4GBのVRAM GPU
おすすめスペックを見ると、やはりグラフィックボードが4GBと設定されていることから、映像出力を行う上でしっかりと映像用にVRAMメモリを確保して上げる必要があることが分かります。CPUだけではメモリ不足なんです。
しかしグラフィックボードの中でも4GBのVRAMのものは、グラボ全体で見てもスタンダード向け。グラボ的には低スペックになります。さらに余裕を持たせるには上位を選ぶ必要があるんです。
メモリ16GBもそれなりに確保されています。
最適スペック
- CPU:8コア64ビット
- メモリ:32GB
- ディスプレイ:フルHD
- 外部デバイス:3ボタンマウス、ペンタブ
- グラフィックボード:12GBのVRAM GPU
最適スペックは、やはり余裕を感じますね。
CPUも8コアだとCore i9、メモリも32GBと快適にblenderをオペレートできる構成。ポリゴンを小さい設定にしても、サクサク動くので細かいモデリングがしやすく、レンダリングスピーディーに動きます。
ビギナー向けとして、スペックは最低限のMimumを勧めたい所ですが、こちらはあくまで最低スペック。
初心者だからといって安易にMinimum通りに選んでしまうと、作成データを作り込むうちにデータが重くなり、作業が滞ることにでしょう。複数のソフト起動、ウェブ閲覧といった同時進行で他の仕事で行う場合は尚更です。
Blenderの中でも「Yafray」というレンダリングを行うツール。このツールのように、高い負荷のかかるツールを常時に使用される方はOptialを基準に考えるといいです。
CG監督
PCパーツの中でも、特に以下のパーツが重要なので詳しく解説していきますね。
- CPU
- メモリ
- ストレージ
- グラフィックボード
CPU
CPUは、パソコンパーツの中でも重要なパーツの一つです。
なぜなら、処理速度の高いCPUを搭載することで、余計な待ち時間を減らし、その分作品のクオリティを上げる時間に使えるからです。CPUはその性能が顕著に出るので、妥協すること無く選んでいきましょう。
スタンダード向けはCPUは、クアッドコアということなので、4コア以上。現在発売中のCore i5 第10世代(6コア)を選べば事足ります。快適に動作させたいスペックを求めるのならOptimalの提唱するCPUに8コアが必要。Core i7の第10世代(8コア)を選ぶといいです。
IntelのCPUに対し、「Ryzenではどうなのか」という点も疑問があるでしょう。
価格と性能のパフォーマンスが魅力的なIntelですが、コア・スレット数の多いAMDのRyzenも実はおすすめです。
メモリ
メモリは、最低8G以上を積みましょう。メモリ不足になると、足りない分をHDDやSSDで補うことになり処理速度が低下します。
例えば、ブラウザ同時に4つも開いたり、メール、音楽アプリ、Word、Excelの起動で少なく見積もって4GBは消費してしまうため、blenderを開く頃にはメモリが一杯一杯となってしまいます。
それ以上に使用するという方は(ほとんどはこちらだと思います)、16GBあると安心です。
Optimalで提唱している通り32GBがあると快適というわけです。
ストレージ
ストレージはHDDだけでなく、SSD搭載のものを選択しましょう。
データは重ねれば重ねるほど、当然ながらデータサイズは大きくなり、保存時の読み書きに時間がかかってしまいます。そうなると、HDDでは処理速度に限界があり作業が滞ることも。
通常のSSDでも保存時の速さを実感できますが、尚SSDよりも早いM.2 SSDを搭載するとSSDに比べ約半分の時間で処理が終わります。カスタマイズに余裕のある方はこちらを選択するといいでしょう。
グラフィックボード
グラフィックボードはPCパーツの中でも特に重要度が高いパーツです。
映像編集やCG・VFX制作では、メモリを多く消費します。中でもビデオメモリは消費量が多いです。
CG処理などの重たい処理をグラフィックボードのメモリに任せることでCPUの値段を下げ、全体的なコストカットも可能なので、グラフィックボードは妥協せずに選びたいものですね。
グラフは、横軸が大きいほどパフォーマンスが高いことを表しています。当然ながら、パフォーマンスに比例して値段も上がります。
価格の抑えたスタンダードモデルには、GPUメモリが6GB以上の中でもコスパの良いGeforceGTX1660を。よりBlenderを使いこなしたいという方は、GPUメモリ8GBを備えコストパフォーマンスに優れている、Geforce RTX2080や最新のものだとRTX3070を。
将来を見越したハイパフォーマンスを目指す人は、RTX3080、RTX3090がおすすめです。
2020年最新!ニーズ別blenderおすすめパソコン
ここからはニーズ別のおすすめパソコンを紹介していきます。
- 初心者におすすめ価格の安い構成
- 快適な構成
- 余裕のある構成
初心者におすすめ価格の安い構成
ここで紹介するパソコンは、価格が安く初心者の方におすすめです。
グラフィックボードは、GeForce GTX1660を採用。GPUメモリ6GBとしっかり確保されているので、細かいスカルプも綺麗に表現できます。
メモリは8GBが標準装備されているPCがほとんどですが、16GBに増設すると安心です。
ストーム PG-HS
CPU | Core i7-10700 |
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メモリ | 16GB |
GPU | GeForce GTX1660 SUPER |
価格 | 136,800円(税込)〜 |
安定動作・コスパを求めるならまずこちらがおすすめ。
ツクモ GA5J-D201/T
CPU | core i5-10400 |
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メモリ | 8GB |
GPU | GeForce GTX1660 Ti |
価格 | 109,780円(税込)〜 |
ツクモのGA5J-D201/Tは始めての方におすすめPC。ポイント付きでお得に入手したい方はこちら。
マウス PM-B
CPU | Core i7-10700 |
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メモリ | 16GB |
GPU | GeForce GTX1660 SUPER |
価格 | 129,800円(税別)〜 |
マウス G-tune PM-Bは、マルチにこなせる処理能力の高さが魅力。
快適な構成
快適な環境を整えるのなら、GPUをRTX3070あるいはRTX3060 Tiがおすすめ。メモリは32GBが少なくとも欲しいです。
RTX3070は最新GPUで従来の2000シリーズと同メモリで大幅に性能アップしました。これによりポリゴン数の少ないデータも快適に扱えます。
具体的に言うと、一桁台のポリゴン数(2〜3など)カクカクしないで扱えるので、人間の胸やお尻といったパーツのモデリングもサクサクです。
ツクモ GA7J-H204/ZT2
CPU | Core i7-10700 |
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メモリ | 32GB |
GPU | GeForce RTX3070 |
価格 | 228,220円(税込)〜 |
ツクモ GA7J-H204/ZT2は、大型のグラフィックカードを搭載できるスペースがあるため、将来さらに大型のグラボ増設の際にも安心です。。
フロンティア FRGAH470F/SG2
CPU | Core i9-10900F |
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メモリ | 32GB |
GPU | GeForce RTX 3070 |
価格 | 230,800円(税込)〜 |
フロンティア FRGAH470F/SG2は、10コア20スレッドの最新CPU搭載。
マウス G-Tune XM-B
CPU | Core i7-10700 |
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メモリ | 32GB |
GPU | GeForce RTX3070 |
価格 | 213,000円(税抜)〜 |
マウス G-Tune XM-Bは、ケース前面にHDMI端子が付くので接続が簡単です。
ストーム PG-PQ
CPU | Core i7-10700 |
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メモリ | 32GB |
GPU | GeForce RTX3070 |
価格 | 201,240円(税込)〜 |
ストーム PG-PQは、ケース前面に通気性の良いメッシュ。RGBファンが光り輝くのが見えます。
余裕のある構成
将来を見越してほとんどのCGデータに対応できるよう、余裕のある構成を求めるなら最新のGegforce RTX3080、RTX3090がおすすめです。
RTX3090は、GPUメモリが24GBと他を圧倒。他のPCと作業時間、データ読み込み時間に圧倒的差をつけます。
セブン ZEFT Gaming PC
CPU | Core i7-10700 |
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メモリ | 32GB |
GPU | GeForce RTX3080 |
価格 | 426,580円(税込)〜 |
セブン ZEFT Gaming PCは、カスタマイズ性に優れたPC。
マウス G-tune XP-Z
CPU | Core i9-10940X |
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メモリ | 32GB |
GPU | GeForce RTX 3090 |
価格 | 419,800円(税抜)〜 |
マウス G-tune XP-Zは、現在発売中PCで最高峰設計。
HP OMEN 30L Desktop ハイパフォーマンスモデル
CPU | Core i7-10700K |
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Kメモリ | 32GB |
GPU | GeForce RTX3080 |
価格 | 338,000円(税抜)〜 |
HP OMEN 30L Desktop ハイパフォーマンスモデルは、シンプルな見た目とは裏腹に最高性能を搭載。
blenderに必要なMacのスペックとは?【要注意】
Windowsのパソコンではなく、Macでblenderを動かそうとスペックを選んでいる方は要注意です。
MacのOSは年々新しいものにバージョンアップされていますが、アップルが「macOS 10.14 Mojave」OpenGL/GL ES、OpenCL、OpenGL ESを非推奨としています。
非推奨APIリストへの追加で、同社がいつまでOpenGL/CLのサポートを継続するかは不明だが、将来的に新バージョンのOSで排除する可能性を示唆している。
現段階ではMacでの動作は可能となりますが、今後Macでの3DCG制作ができにくくなると考えるとMacパソコンよりも素直にWindowsパソコンを選ぶ方が賢明です。
Windowsパソコンは、10万円台で1000万ポリゴンのモデリングは楽々で大体のことは行うことが可能。今の予算で組めるPCのスペックの物足りなさは、将来的に増設することでカバーできます。
そういった意味でもWindowsパソコンを選んでみてはいかがでしょうか。
blenderパソコンにおすすめなメーカー
ここでは、これまで紹介してきたPCのメーカーを紹介するとともに、そのメーカー・ショップで安く買う方法も解説していきます。
今回紹介するのは、以下のメーカーです。
- フロンティア
- ツクモ
- ストーム
- マウスコンピューター
- パソコン工房
フロンティア
blenderパソコン価格 | 9万円(税抜)〜 |
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ポイント | なし |
お届け日 | 注文から約1週間 |
送料 | 2,000円(税抜) |
下取りサービス | 1,000円(税抜)割引 |
フロンティアは、ゲーミングPC(Geforce搭載PC)のラインナップが豊富なBTOメーカーです。
セールや割引も頻繁に行われているので、欲しい商品がお得に手に入れられる可能性が高いです。
在庫限りのアウトレットや歳末セールも常に開催されているので、気になる方はぜひチェックしてみて下さい。
参考 フロンティアのパソコンを安く買う方法【割引セールが安い】ツクモ
- blenderパソコンが17万円台(税抜)で手に入る
- スペックのラインナップが豊富
- Quadro GV100、Quadro RTX 8000も選べる
- ポイントが付いてなお安い
blenderパソコン価格 | 17万円(税抜)〜 |
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ポイント | あり |
お届け日 | 注文から3~5営業日 |
送料 | 2,000円(税抜) |
下取りサービス | 1,000円(税抜)割引 |
ツクモは、カスタマイズの種類が豊富なBTOメーカーです。
コンパクトな省スリムスペースPCから、大きなタワーPCまでケース・スペック別に幅広いカスタマイズをすることができます。
よって、ビギナーの方から大手企業・一流クリエイターの方まで幅広い方を対象にしています。ポイントも付くので周辺機器も合わせて購入しやすいです。
参考 ツクモでBTOパソコン「eX.-computer」を安く買う8つの方法ストーム
blenderパソコン価格 | 10万円(税込)〜 |
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ポイント | なし |
お届け日 | 注文から5営業日 |
送料 | 2,000円(税抜) |
下取りサービス | あり |
ストームは、特徴のあるケースが採用され見た目にもこだわったPCが販売されています。コスパが良いので、内面・外面のクオリティを求める方におすすめです。
例を上げると一つは排気に優れたケース、もう一つは静音設計のLEDが光る見た目にもこだわったもの。どちらも同じ価格帯で選ぶことができます。
HPに記載のパソコンはどれも税込み表示なので、料金が分かりやすいのは嬉しい仕様です。
参考 ストームでパソコンを安く買う方法!季節のお買い得セールが狙い目マウスコンピューター
- blenderパソコンが9万円台(税抜)で手に入る
- Gtuneはプロゲーマーに使われる一台
- デスクトップ・ノートの種類が豊富
- Officeソフトが同時購入で特別価格で購入できる
blenderパソコン価格 | 9万円(税抜)〜 |
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ポイント | なし |
お届け日 | 15時までの注文で3・4営業日で出荷 |
送料 | 3,240円(税込) |
下取りサービス | 1,000円(税抜)割引 |
マウスコンピューターは、安くて高品質なパソコンが手に入るBTOメーカーです。乃木坂46のCMが有名ですよね。
マウスには様々なシリーズのパソコンがありますが、中でもプロも愛用するGtuneシリーズは、プロゲーマーにも愛される一台です。
コスパの良い商品から現最高スペックまで、ニーズに合わせてお好みにカスタマイズすることができます。幅広い種類から、お気に入りの一台を見つけたい方はマウスのパソコンを御覧ください。
参考 マウスコンピューターで安く買う10個の方法【割引セールで安い】
パソコン工房
blenderパソコン価格 | 9万円(税抜き)〜 |
---|---|
ポイント | あり |
お届け日 | 7日前後 |
送料 | 2,200円 |
下取りサービス | あり |
パソコン工房は、国内生産国内出荷をしている老舗のBTOメーカーです。
品揃えも豊富でたくさんのバリエーション豊かなパソコンを販売しています。
納期まで期間はかかりますが、パソコン・周辺機器デバイス・ソフト購入時にポイントが付くのが嬉しいですね。
参考 割引クーポンあり!パソコン工房でお得に安く購入する方法まとめ
今回はblenderパソコンとスペックについて解説してきました。
無料で使える3DCGソフトであるblenderは、公式ではそこまでシビアにスペックが求められていません。本当はもっとスペックが必要なのに、公式で提唱する「ビギナー向け」のスペック通りに組んでしまうと失敗することも。
人によって、作業レベルは異なるので余裕をもった能力が出せるように選びましょう。
blenderに適したノートパソコンはこれ!重視すべきスペックとは【2021】
3DCG制作パソコンおすすめはコレ!2021年版スペックの選び方